手放しその2

山のように積まれたパンフレットは台車に乗せても動きませんでした。

もともと私はそんなに体力のあるほうではありません。

ゴミ置き場は、車の往来が激しい狭い道の、しかも坂道でした。

一個ずつでも、意外と紙は重たいもので、台車から降ろしても、とても運べるものではありませんでした。

通りすがりの人が助けてくれたこともあります。

 

私はPCのパスワードは上司には教えなければならないものと、当時は思っていました。

しかししらいしさんは私のパスワードを濫用して、私のメールを見ていました。

途中から部長が変わりました。私を雇ってくださった方です。

私は現在もですが、「受け皿」がありません。

その上司に「どなたを頼ればいいですか?」というメールが

プリントアウトされていました。

そこには「どんだけ自分のことしか考えていないんだ」としらいしさんのメモがありました。よっぽど

私はシュレッダーを頼まれたときに、そのプリントアウトを見つけてしまったのです。

しらいしさんに「これなんですか?」と問いただしました。

「私はあなた仕事ができないから嫌いなの」

こんなにあからさまに言われたことは初めてです。

9か月を過ぎて、部長さんに「次の更新はない」旨言われました。

新しい部長さんは私のことをかばってくださいました。

最終日に「申し訳ないけど、次の職場でも頑張ってくださいね」と菓子折りをいただき、エレベーターでお見送りしてくださいました。

しらいしさんは最終日には有休をとられていました。